役人「北の原っぱに、鬼ババが出るんだ。ここから先には行けないよ」 役人「北の原っぱに、鬼ババが出るんだ。ここから先には行けないよ」 北斗丸「小さい女の子が、原っぱに迷いこんじゃったみたいなんです。 探しに行きたいんですけど……」 役人「だめだ。決まりだからな。 それに、ここで見はってるんだから、だれも原っぱに行けるわけない」 頼遠「北斗丸、酒屋のしそべえがどうくつの話をしていたじゃないか。 あっちに行ってみよう」 北斗丸「そうか、村の北西の山だったね」 役人「これは、頼遠さま頼朝さまから、 西への通行をとめるよう、いいつかっております。どうか、おもどり下さい」 女「あたしは、日本一のおどりて。でも、いっしょにおどってくれるあいてがいないの……」 法輪「きれいなむすめさんじゃなあ。おどってさしあげんかい、北斗丸」 北斗丸「えっ」 女「あなた、おどりのこころえがあるの?」 おどりますか? 北斗丸「や、やだよ。はずかしいじゃないか」 女「おどりをバカにしちゃ、いけないわ。 気がかわったら、いつでもいらっしゃい」 女「あたしといっしょに、おどってくれる?」 おどりますか? 北斗丸「ごめん。おどれないんだ」 女「そう…………ざんねんだわ…… 北斗丸「……じゃあ、おどってみようかな」 女「まあ、うれしい。じょうずにおどれたら、いいものをあげるわ!」 女「じゃあ、行くわよ。おんがく!」 女「じょうずだったわよ。ひさしぶりに、おもいっきりおどれたわ! ごほうびにいいものをあげる」 阿古耶「やったあ、北斗丸!」 女「そ−れ!」 あめのうずめ「あたし、実は神さまなの。名前はあめのうずめ、よろしくね」 法輪「なんだか、かるくてかわいい神さまじゃのう」 あめのうずめ「おどってくれたかわりに、あたしの力をかしてあげる。 あたしのおどりは、きっと役にたつんだから」 北斗丸「あ、ありがとうございます」 あめのうずめ「それじゃ、いつでもよんでね」 北斗丸は『あめのうずめ』をおろせるようになった! あめのうずめ「じゃあね!」 おじいさん「本当に、ありがとう。わしのほしかったものは、ぜんぶそろったよ。 それじゃ、気をつけて旅をつづけておくれ」 おじいさん「やあ、あんたたちか。気をつけて、旅をつづけておくれ」 おじいさん「わしは、めずらしいものをあつめるのが、しゅみなのじゃ。 実は今、ほしいものがあってのう。 旅のとちゅうで手に入ったら、わしに、とどけてくれんかね? 『かっぱのさら』『たいばのかま』『ひゃくめのめだま』 『くまのて』『かさばけのほね』の、五つじゃ。 持ってきてくれたら、おれいをするよ。よろしくな」 おじいさん「おれいをするから、 『かっぱのさら』 『たいばのかま』 『ひゃくめのめだま』 『くまのて』 『かさばけのほね』を、持ってきておくれ」 おじいさん「おお!それは、『かっぱのさら』じゃないか。 よく、手に入れたね。それを、わしにくれるのかい?」 『かっぱのさら』を、あげますか? 北斗丸「ごめんなさい、あげられません」 おじいさん「そうか……あんたたちには、役にたたんものだと、思うがなあ」 おじいさん「気が変わったかい?『かっぱのさら』を、くれるのかね?」 『かっぱのさら』を、あげますか? 北斗丸「いいですよ。どうぞ」 おじいさん「おお、ありがとうよ。 じゃあ、おれいにこれをあげるからね。役にたてておくれ」 『かっぱのさら』を、手ばなして『かみがみのまもり』を、もらった! おじいさん「おお!それは、『たいばのかま』じゃないか。 よく、手に入れたね。それを、わしにくれるのかい?」 『たいまのかま』を、あげますか? 北斗丸「ごめんなさい、あげられません」 おじいさん「そうか……あんたたちには、役にたたんものだと、思うがなあ」 おじいさん「気が変わったかい?『たいばのかま』を、くれるのかね?」 『たいばのかま』を、あげますか? 北斗丸「いいですよ。どうぞ」 おじいさん「おお、ありがとうよ。 じゃあ、おれいにこれをあげるからね。役にたてておくれ」 『たいばのかま』を、手ばなして『まふうじのまもり』を、もらった! おじいさん「おお!それは、『ひゃくめのめだま』じゃないか。 よく、手に入れたね。それを、わしにくれるのかい?」 『ひゃくめのめだま』を、あげますか? 北斗丸「ごめんなさい、あげられません」 おじいさん「そうか……あんたたちには、役にたたんものだと、思うがなあ」 おじいさん「気が変わったかい?『ひゃくめのめだま』を、くれるのかね?」 『ひゃくめのめだま』を、あげますか? 北斗丸「いいですよ。どうぞ」 おじいさん「おお、ありがとうよ。じゃあ、おれいにこれをあげるからね。役にたてておくれ」 『ひゃくめのめだま』を、手ばなして『いのちのおまもり』を、もらった! おじいさん「おお!それは、『くまのて』じゃないか。 よく、手に入れたね。それを、わしにくれるのかい?」 『くまのて』を、あげますか? 北斗丸「ごめんなさい、あげられません」 おじいさん「そうか……あんたたちには、役にたたんものだと、思うがなあ」 おじいさん「気が変わったかい?『くまのて』を、くれるのかね?」 『くまのて』を、あげますか? 北斗丸「いいですよ。どうぞ」 おじいさん「おお、ありがとうよ。じゃあ、おれいにこれをあげるからね。役にたてておくれ」 『くまのて』を、手ばなして『せいなるおまもり』を、もらった! おじいさん「おお!それは、『かさばけのほね』じゃないか。 よく、手に入れたね。それを、わしにくれるのかい?」 『かさばけのほね』を、あげますか? 北斗丸「ごめんなさい、あげられません」 おじいさん「そうか……あんたたちには、役にたたんものだと、思うがなあ」 おじいさん「気が変わったかい?『かさばけのほね』を、くれるのかね?」 『かさばけのほね』を、あげますか? 北斗丸「いいですよ。どうぞ」 おじいさん「おお、ありがとうよ。 じゃあ、おれいにこれをあげるからね。役にたてておくれ」 『かさばけのほね』を、手ばなして『きせきのおまもり』を、もらった! |