しゅんかん「体力のさいだいちを、2あげることができるぞ。 『はやてのたま』をくれたら、仲間になろう」 仲間にしますか? しゅんかん「実力ぶそくかのう……」 しゅんかん「あさはやくからでもがんばりますぞ!!」 しゅんかんが仲間になった! しゅんかん「仲間がおおいようですな。ここで待ってますのでいつでも来てくだされ」 しゅんかん「『はやてのたま』が、ないではないか!それでは、いっしょに行けん」 ゆり「わたしは、みんなの体力をかなり、かいふくさせられます。 『にしきのころも』をいただけたらともにまいります」 仲間にしますか? ゆり「ざんねんだわ……お役にたてると思ったのに」 ゆり「よろしくおねがいします」 ゆりが仲間になった! ゆり「お仲間がおおいですわ。わたしはここで待っています」 ゆり「『にしきのころも』を、もってきてくださるまで、わたしはここで待っています」 女「海をこえた四国には、タヌキとキツネがおおいっていうわ」 女「四国のキツネが、いなくなったんだってさ」 男「この村の西は、びぜん村。東にむかえば、京のみやこさ」 男「山人が住んでる東北の森の中にあるかくれざとには、 まりしてんって神さまが、かくれてるそうだぜ」 男「まりしてんさまは、かぜをあやつるんだってな」 阿古耶「あっ、おサイフがおちてる」 女「見つけた!わたしのサイフ」 阿古耶「よくも、つきとばしたわね! そのおサイフは、あたしが先に見つけたのよっ」 女「なんだ、おまえは」 阿古耶「それは、こっちのセリフだよ!」 北斗丸「いいじゃないか、阿古耶。そのサイフ、その人のものだってさ」 阿古耶「北斗丸、おかねってたいせつなんだからね。すぐ、人のこと信じちゃダメだよ」 法輪「そうじゃ、そうじゃ」 頼遠「おいおい。そこが北斗丸のいいところだって、いつもいってるじゃないか」 阿古耶「おかねのことは、べつ!」 女「ふうん。しつれいなやつらだが、かねをたいせつにするたいどは気に入ったよ」 北斗丸「あっ!?」 べんてん「わたしは、べんてん。 このサイフは、かねがわき出る神通力を持っていてねえ。人間には、わたせないのさ。 でも、おまえたちを気に入ったから、力をかしてやってもよいぞ」 法輪「べんてんさま!?生きているうちに、おすがたをおがめるとは…… ありがたや、ありがたや」 べんてん「ホホホ、すなおなやつ。ますます気に入ったぞ。よしよし、力をかしてやるよ」 法輪は『べんてん』をおろせるようになった! 男「南西に、おのころのいせきがあるよ。見に行ってみたら?」 北斗丸「そうへいさんですね。こてつさんに聞いてきました」 そうへい「こてつに?なんの用だね」 北斗丸「こてつさんの住む、西の村のおたつさんの、こどものことを教えてほしいんです」 そうへい「な、なに………おたつの?わ、わしゃ、なにも知らん。知らんぞ」 阿古耶「ウソよ。こてつさんは、あなたにわたしたって、いったもの」 そうへい「し……知らんといったら、知らんのだ!」 法輪「そのあわて方………あやしすぎる」 頼遠「あかんぼうの命が、かかってるんだ。 かくしだてするなら、ムリにでも聞き出すぞ」 そうへい「うっ………そ、そんなこわい顔するなよ。 わかったよ、話すから………」 法輪「はじめから、そうすればいいんじゃ」 そうへい「十五年前、あかんぼうをあずかったわしは、京へ旅立った。 ところがそのとちゅう、いくさにまきこまれてな……… 気づいたらあかんぼうと、はぐれておった。 あのころは、源氏と平家のいくさでこの国中が、あれておったからな。……… だが、こんなこと、わしはいえなかった。 京の金持ちのところでしあわせにくらしていると、ウソをついたのだ」 阿古耶「………ひどい」 北斗丸「それじゃ、その子のゆくえはそれっきり、わからないんですか?」 そうへい「ああ………だが、たったひとつ、手がかりがある。 あのあかんぼうは、おたつのかたみのお守りを持っていたはずだ。 だから、古いお守りを持ってる十四、五歳の女の子で、身よりのないものを探せば………」 頼遠「どうしたんだ、阿古耶?顔いろが悪いぞ」 阿古耶「そ、そのお守りって、ひょっとしてこんなのじゃなかった……?」 そうへい「あっ、このお守りは………たしかに、あのあかんぼうが持っていたお守りだよ。 どうして、あんたが持っているんだい?」 阿古耶「これは、あたしが小さなころから持ってたものさ。 みなしごのあたしにとって、たったひとつの宝ものなんだ」 北斗丸「じゃあ、おたつさんのこどもって阿古耶だったんだ!」 法輪「あの村がなつかしいといっとったのは、気のせいではなかったのじゃな。 よかったじゃないか、阿古耶」 阿古耶「う……うん」 北斗丸「そうとわかれば、早く西の村にもどろう。 これで、ぼりょうにのろいをといてもらえるぞ」 そうへい「すまなかった。悪いことをしたね」 そうへい「なにかようかね?」 |