セリフ 42


男「この村の西が、だんのうらだ」
女「ねえ、知ってる?十数年か前にだんのうらで戦いがあったのよ。
平家が、源氏にほろぼされたの。だから夜になると、火の玉が出るんだって」
おじいさん「わしは、だんのうらの火の玉のひみつを知っているのじゃ。ふっふっふっ」
おじいさん「十数年前の戦いのとき、
『三種の神器』のひとつが平家の人間といっしょに、海にしずんだそうじゃ。
夜に光っているのは、火の玉じゃなくて、その神器らしいぞ」
少女「だんのうらには、オバケが出るよ」
おばあさん「十数年前の戦は、ほんにおそろしいものじゃった。
今でもハッキリと覚えておるわい」




男「ここから、ずっと北に行った森の中に、かくれざとがあるんだって。
なんでも、鎌倉の頼朝さまをうらぎったヤツらの村だそうだが」
女「まつきちさんって、おっかさんがいないと、なにもできないのよ」
男「京のずっと北にあるだいにち山には、へんな岩のさけめがあってね。
そばによると、なにかしゃべるとか……ウワサだけどね」
男「このあいだ、どまのかたすみを見たらいつのまにか、大きなあながあいててさあ。
うめたら、それまでびょうきだった子どもが、バッチリなおったんだよ」
まつきち「あんたら、見かけない顔だね………ハア」
北斗丸「どうかしたんですか?元気がないみたいですけど」
まつきち「決まってるだろ。おかあちゃんがびょうきで、心配なんだよ………ハア」
北斗丸「なんのびょうきなんですか?」
まつきち「それがわからないから、こまってるんじゃないか………ハア」
阿古耶「ハア、ハアって、この人ためいきばっかり」
おばあさん「ウッ、ウ−ッ!く、苦しいいっ」
まつきち「あっ、おかあちゃん!」
おばあさん「ウウ−ン」
おばあさん「フ−ッ………スヤスヤ」
まつきち「いつも、こんなぐあいなんだ。おいら、心配で心配で………ハア」


頼遠「おい、北斗丸!今の火の玉を見たか?」
北斗丸「うん、あのすみで消えたね。
おばあさんのびょうきに、かんけいありそうだ。あのへんを探してみよう」
まつきち「おかあちゃんが心配だ………ハア」
頼遠「北斗丸、この人になにか聞こうとしても、ムダみたいだぞ。
それより、火の玉の消えた、あのすみを探してみよう」


まつきち「おかあちゃんが、元気になったんだ。おいら、うれしいよ」

まつきち「なんでか知らないけど、あそこのすみから、あぶらがわき出してさ。
それが、ガマのあぶらなんだよね。おかげで、おいらとおかあちゃんは大もうけさ」

おばあさん「う−ん………うう−ん」

おばあさん「なんだか急に、らくになったんです。
この子ったら、あまったれだから、あたしが元気でいないとねえ」

おばあさん「なんで、あんなとこからガマのあぶらが出てきたのかねえ。ふしぎな話ですよ」
北斗丸「あれっ?ここだけ、たたくとへんな音がするぞ」
頼遠「こんなところに、あなが!」
北斗丸「火の玉は、この中に入っていったのか」
がまのあぶらで、げんきになった!




男「南の森には、かくれざとがあるんだよ」
男「北の山には、今いるばしょがわかるふしぎな鏡があるらしいぞ」
男「ほらな、たまに光るんだ」
男「さいきん、山の鏡が光らないんだ……
オレ、しんぱいでさぁ。どうしちゃったんだろう」





さむらい「おや、おぬしたち……大きなさだめをせおっているようだな」
頼遠「そんなことがわかるとは、あなたもただの人じゃないようですね」
さむらい「ふふっ、そうだ。わしには、おぬしたちの手助けができる。
ただし、おぬしたちがそれにあたいする人間かどうか……ためさせてもらうぞ。
わしの手下と戦うのだ。さあ、どうするね?」
頼遠「どうする、北斗丸?」
戦いますか?

北斗丸「いいえ………えんりょします」
さむらい「そうか。気が変わったら、いつでも来いよ」
さむらい「わしの手下と、戦うかね?」
頼遠「どうする、北斗丸?」
戦いますか?

北斗丸「戦います!」
さむらい「では、行くぞ!」


さむらい「まだまだだな。しょうじんすることだ。わしは、ここで待っておるぞ」


さむらい「みごとだ!おぬしたちの力、しかと見せてもらったぞ」
北斗丸「あ、あなたは………」
びしゃもん「わしは、びしゃもん。やくそくどおりおぬしたちに力をかそう」
頼遠「びしゃもんといえば、戦いをつかさどる、みほとけでは!?」
びしゃもん「そうだ。わしが力をかせば、おぬしたちの戦いも、らくになろうぞ」
頼遠は『びしゃもん』をおろせるようになった!




男「おや、めずらしい。旅の人かね」
少年「このあいだ、山に遊びに行って、ほらあなに妖怪が入ってくのを見たよ。
きれいなふくをきた女の人をかかえていたよ」
男「この近くの山には、悪鬼が住んでいるだ」
少年「北の海のむこうには、大きなしまがあるんだって」



じゅうろう「わしは、このあたりでもっともつよいぶしである。
金などはいらぬ。ともをさせてはくれぬか?」
仲間にしますか?

じゅうろう「わしを仲間にせんとはけしからん!」


じゅうろう「わしのうでならとうぜんじゃ」
じゅうろうが仲間になった!

じゅうろう「仲間がいっぱいのようじゃざんねんだがつぎのきかいにするとしよう」




おじいさん「数年前に、役人につかまりそうになった山ぞくが、海をわたって、
北のえぞへにげていったんじゃ。
じゃが、ようせいをつかまえてひともうけするために、えぞへ行ったというウワサもあるわい」
女「みやこに行ってみたいな」
女「そっちの女の子、どこかで見たことが………???」
女「ちょっと、きいたわよ。あんた、おたつさんの子どもなんだってね」
男「ちょうじゃどんのいえに、あかんぼうが生まれるそうじゃ。めでたい、めでたい」
男「ちょうじゃどんのいえのあかんぼうは、すくすくそだっているそうじゃ。めでたい、めでたい」