北斗丸「村長さんのゆるしなしに、たからばこをあけるのはよくないな。 まきものだけにしよう」 古いまきものを、見つけた! 北斗丸「あった、これだな………!」 法輪「これで、こくりばばあを倒す方法がわかるのう」 こくりばばあ「そうはいくかい!」 阿古耶「あんた、妖怪ね。ひょっとして、こくりばばあ?」 こくりばばあ「そうとも。そんなもんを見られちゃこまるんだよ。こっちへよこしな」 古いまきものを、取られた! 北斗丸「あっ、しまった!」 こくりばばあ「これは、いただいていくよ!」 頼遠「そうはさせん!」 頼遠「北斗丸、それを取るんだ!」 こくりばばあ「こやつ、ゆるさんぞっ!」 頼遠「うおっ!?」 こくりばばあ「うごけまい。とくべつ強力なのろいを、かけてやったんだからねえ。 おまえだけはゆるさん。連れて帰ってジワジワと苦しめながら死なせてやるよ……… もちろん、死んだら食ってやる」 頼遠「し………しまった………」 北斗丸「頼遠−−−!!」 こくりばばあ「チッ……ここは、ひとまずにげるか」 北斗丸「頼遠−−−ッ!!」 法輪「あの頼遠が、あっさりやられるとは……… あのこくりばばあ、かなり強いぞい」 阿古耶「なに、感心してんのよ!頼遠を助けなきゃ!」 法輪「まきものを見るのが先じゃ。 あわてて追いかけても、返りうちにされるだけじゃぞ」 北斗丸「………わかりました」 古いまきものを、手に入れた! 阿古耶「それじゃ、早く見てみよう。あいつのよわみって、なんなのさ?」 北斗丸「うん、今からよむから、聞いててくれ……… え−と、こくりばばあとははかをほりおこして、死人を食らうおそろしい妖怪である。 死人が少なく、食いたりないときは人間に、のろいをかけてびょうきにしてしまう……」 法輪「ううむ、なんというヤツじゃ」 阿古耶「そんなとこ、とばしてよ。早く、あいつの苦手なものを教えて」 北斗丸「ちょっと待って………こくりばばあは妖力が強く、苦手なものは、ほとんどない。 ただし、おそなえ山の、どうくつの中にあるおがみ岩は苦手である。 おがみ岩は、こくりばばあの力をうち消すからである………だって!」 阿古耶「おそなえ山ね!?」 法輪「村長にきいてみるか」 北斗丸「ああ、頼遠を助けなきゃ!」 からっぽです! ふしぎな光をあびて元気になった! 阿古耶「おがみ岩って、あれのことじゃないかしら?」 北斗丸「きっとそうだ。少しのあいだ、かりていこう」 おがみ岩を、手に入れた! 北斗丸「じゃあ、おがみ岩を返そう」 阿古耶「あれっ、今なにか光ったよ」 北斗丸「本当だ、なにかある」 『ふつのみたま』を見つけた! きんとき「このあたりでいちばんつよいのは、このわたし。金2000で仲間になるよ」 仲間にしますか? きんとき「せっかくつよいのに……ぶつぶつぶつ………………」 きんとき「ちょっとがんばってみちゃおかな!」 きんときが仲間になった! きんとき「なんだ。仲間がいっぱいじゃない」 きんとき「お金がないじゃない。それじゃ、ついていけないね!」 えんま「そこのものたち、待つのだ!」 北斗丸「えっ」 北斗丸「だれだ!?」 えんま「わしの名は、えんまじゃ」 頼遠「え、えんまさまですって?」 えんま「おまえたちは、妖怪となった岩光のたましいを、すくった……… あのままでは、岩光はすがたばかりか心までも、妖怪になってしまっただろう。 だが、おのれのよわさに気づいた今………岩光は、きっと正しい心を取りもどすはずじゃ」 法輪「ええ、そうですじゃ。やつなら、きっと立ちなおってくれます」 えんま「ウム。おまえたちは、悪にそまりそうだった岩光をすくったのだ。 わしは、おまえたちにそのほうびをやろうと思う」 北斗丸「ほうび?」 えんま「わしの力を、かしてやろう。こまったときに、わしの名をよぶがよい」 法輪「ありがとうございます、えんまさま」 えんま「これからも、迷えるたましいをすくってくれ。きたいしておるぞ」 法輪は『えんま』をおろせるようになった! ノヅチ「シャアアアッ!」 北斗丸「なんだ、これは……妖怪なのか!?」 法輪「ノヅチじゃ!だが、あれは………」 頼遠「のんびり話してるヒマはない!おそってくるぞ!」 ノヅチ「シャギャアッ!」 ノヅチが、おそってきた! ノヅチ「………さて、こいつらを食うとするか」 北斗丸「こ、こいつことばをしゃべれるのか!?」 法輪「や、やはり………おまえ、岩光じゃな………?」 ノヅチ「な、なにっ!? オレが、人間だったころの名前を知っているとは………おまえは、もしや?」 法輪「わしじゃよ、法輪じゃ」 ノヅチ「法輪!?」 法輪「ともだちの顔をわすれるとは、つめたいのう。わしは、すぐにわかったぞい。 すがたは変わっても、発している気はむかしの岩光のものじゃったからな」 ノヅチ「うう……すまない」 北斗丸「ほ、法輪さん………このノヅチと知りあいなんですか?」 法輪「ああ……この岩光とわしとは、このひえい山で、ともにしゅぎょうをした仲なんじゃ」 北斗丸「えっ!じゃあ、このノヅチも、お坊さんなんですか!?」 ノヅチ「むかしの話だ……今ではこの通り、人をおそう妖怪になりさがってしまった……… よくにおぼれた、ばつなのだろう」 法輪「なにをいっとる。わしだって、酒の大好きなナマグサ坊主じゃぞ」 ノヅチ「いいや、そうじゃない………オレは、知っているんだ。 源氏と平家のいくさがつづいていたあのころ………」 岩光「おちつくんだ、法輪!」 法輪「これが、おちついていられるものか! いくさで、たくさんの人が死んでゆくというのに、わしら坊主はなにもできん! ほとけの力も、いくさの前では役に立たぬというのか」 岩光「法輪、そんなことをいってはいかん。 ほとけに、いのるのだ。そうすれば、きっとむくわれる」 法輪「いやじゃ。人が死ぬのを、だまって見ているほとけなんて、わしは信じないわい!」 岩光「あっ、法輪!法輪−−−っ!」 ノヅチ「それっきり、おまえはすがたを消した。 おまえは、じゅんすいな男だったからなあ……… それにくらべ、オレは知ったふうなことをいっていたが、本当にさとっていたわけではない。 うわべだけを、取りつくろっていたむくいが、このすがたさ」 北斗丸「そうだったんですか、法輪さん」 頼遠「ただの、のんべえだと思っていたよ………すまなかった」 法輪「な、なんのこっちゃ。わしは、のんだくれのナマグサ坊主じゃよ。 この北斗丸に出会うまで、ゆうきも出せなかったいいかげんなヤツじゃ」 ノヅチ「いや……やっぱり、おまえはりっぱだよ。 そうして、立ちなおっているんだからな。オレも、目が覚めたような思いだ。 これからは、人をおそったりしないで生きるよ……めいわくをかけて、すまなかったな」 北斗丸「いいえ、そんなこと………お元気で」 ノヅチ「ありがとう。じゃあ、またどこかで会えるといいな」 法輪「おお。そのときは、いっしょに酒をのもうな」 法輪「さ−て、ほんじゃ行くかの。先は、まだまだ長いでな」 阿古耶「法輪さんたら、へんなの。てれてるのかしら?」 北斗丸「ふう、あぶなかった……」 ノヅチ「うう……オレの負けだ。こ、殺せ………」 北斗丸「えっ、ノヅチがしゃべった!?」 法輪「やはり、そうじゃったか………岩光よ」 ノヅチ「な、なに………なぜ、オレが人間だったころの名前を知っている?」 お坊さん「平和のために、いつもみほとけに、いのっております」 お坊さん「こんな世だからこそ、われらが、みんなをみちびかねば…………」 ほうかいぼう「おお!法輪ではないか!? わしは、魔力を、ちょっとかいふくさせることが、できるぞ! むかしのなじみで、つれていってくれんか?」 仲間にしますか? ほうかいぼう「つれないのう……」 ほうかいぼう「おお!ともにがんばろうぞ!」 ほうかいぼうが仲間になった! ほうかいぼう「仲間がおおすぎるぞ。わしがついてゆけないではないか!」 お坊さん「この山に妖怪が出ないのは、わしらがしゅぎょうをしてるからだ」 |