一ノ神「さて………知っているかもしれぬが源氏は別名を、鬼追うものという。 ……なぜか、わかるか?」 北斗丸「いいえ。どうしてですか?」 一ノ神「むかしから、妖怪退治をしてきたからじゃ……… 悪しき妖怪をたおし、人々の苦しみをすくう…… という役目を持つ、一族だからじゃよ……」 頼遠「……そうだったのか」 一ノ神「だから、わしらも力をかしたのじゃ……… そして、かれらの『天下五剣』をかくすのにも、一役かった……… さあ、この人形を取るがいい。 三体そろえて、南東のおもと山に行くのだ……… いただきの岩に人形をそなえたときこそ、『天下五剣』を手に入れられようぞ………」 ヒスイの人形を、手に入れた! 二ノ神「それでは、こちらにいらっしゃい…… つづきは、わらわが話しましょう…………」 一ノ神「わしには、もう話すことはない……」 一ノ神「『童子切り』を手に入れたか……よかったな」 二ノ神「ここに来る前に、一ノ社へ行きなさい………」 二ノ神「わらわは、『天下五剣』のことを教えてあげましょう……… 『天下五剣』とは、体のおくふかくねむれる力をよびさます刀です…… そのむかし、あやかしの血を持つ五人のものによってつくられ、 そのこどもたちに受けつがれたと聞きます……… しかし、よこしまな人間が『天下五剣』をねらうようになり、 いつのまにか、うしなわれてしまったのです……… 今ではかれらのこどもたちでさえ、『天下五剣』を知らないでしょう。 それでも、正当な持ち主に出会えば『天下五剣』は、その力をはっきするはずです………」 北斗丸「あやかしの血……とは、なんなのですか?」 二ノ神「それは………わらわにも、わかりませぬ。 わらわが知っているのは、ここまでです………さあ、人形をお取りなさい………」 サンゴの人形を、手に入れた! 三ノ神「あやかしの血については、わらわが教えよう………さあ、こちらへ……」 二ノ神「もう、わらわの知っていることはすべて話しました………」 二ノ神「『童子切り』を手に入れたようですねこのさきも、がんばりなさい」 三ノ神「わらわより先に、二ノ神の話を聞くがよい………」 三ノ神「あやかしの血を持つものは、この国の人間ではない……… それは人であって、人でなく、ふしぎなすがたを持つ……… いうなれば、聖なる妖怪といったものなのだ……」 北斗丸「聖なる……妖怪の血?」 三ノ神「そうだ。そして、鬼追うもの………つまり源氏も、その血をひいている………」 頼遠「なんだって?源氏は、妖怪退治をする一族なんだろう。 それなのに、妖怪の血をひいてるっていうのか!?」 三ノ神「ただの妖怪ではない……… あやかしの血を持つものは、悪しき妖怪をさばき、ほろぼす力を持つのだ……… 『天下五剣』は、そのための刀……」 法輪「つまり……鬼追うものも、妖怪も、元は同じってことかのう?」 阿古耶「ということは、おもと山にあるっていう『天下五剣』の持ち主は、頼遠なの!?」 火鷹「そういうことになるな………おもしろいことになってきやがった」 北斗丸「それじゃあ、おもと山へ行って、たしかめてみよう!」 三ノ神「………それが、そういうわけにはいかぬのだ。見るがよい………」 阿古耶「あれっ、人形がない!?」 三ノ神「わらわの守りし人形は、 南のいおりにかくれている平家のものに、うばわれてしまったのだ………」 頼遠「平家の、生きのこりのヤツに?」 三ノ神「いや、わらわとて神のはしくれ。 生きている人間に、おくれは取らぬ……ヤツは、もはや人間ではない。 取り返しに行くなら、くれぐれも気をつけることじゃ………」 法輪「どうするんじゃ、北斗丸?」 北斗丸「決まってるさ。人形を、取りもどさなきゃ!」 三ノ神「わらわの力がたりぬせいで、すまぬ……… せめて、そなたたちを元気にしてやろう」 「みんなは、元気になった!」 三ノ神「気をつけるのだぞ………」 三ノ神「人形は、手に入れたか?ヤツは南のいおりにいる……… ケガを治してやるから、がんばるのだぞ………」 「みんなは、元気になった!」 三ノ神「気をつけるのだぞ………」 三ノ神「これで、おもにがおりた。みな、がんばるのだぞ」 だえもん「たたかいのあいだに、金とどうぐをぬすんでやるぜ! いちばんこうかなどうぐ、『らんじゃたい』をもってくれば、仲間になってやるぜ」 仲間にしますか? だえもん「まあ、いいけどよ。おれがいると、らくだぜ」 だえもん「まあ、いいだろ。ひさしぶりに旅したいしな」 だえもんが仲間になった! だえもん「仲間がいっぱいだぜ。いっしょにはいけないな」 だえもん「『らんじゃたい』をよこしな。でなきゃ、仲間にはいらねぇぜ!」 阿古耶「さあ、ここがいただきだよ。岩の上に、人形をそなえろっていってたよね」 大神「ほほう、また来たか………さあ、あかしを見せてみよ」 ヒスイの人形を、そなえた! サンゴの人形を、そなえた! コハクの人形を、そなえた! 法輪「なんじゃ、こりゃ!?」 北斗丸「人形から光が!」 大神「われをよぶのは、『天下五剣』をほっするものか………?」 北斗丸「はい、そうです!」 大神「われは長い間、ここで『天下五剣』を守って来た……… 刀がほしければ、手に入れるしかくがあると、われをなっとくさせるのだ………」 阿古耶「どうすればいいの?」 大神「わがしもべを、たおしてみよ!」 光の玉が、おそってきた! 大神「ほう、なかなかできるな。 では、もう片方のしもべと戦う前に体力をかいふくさせてやろう」 大神「さあ、いくぞ!」 大神「まだまだじゃな………そんなうででは、『天下五剣』を使いこなせはしないだろう。 しゅぎょうをつんで、また来るがよい………」 大神「みごとじゃ。おまえたちには、『天下五剣』を手に入れるしかくがあるらしい……… よろしい、刀をわたそう」 頼遠「これが、源氏のそせんが持っていた『天下五剣』………」 大神「そうじゃ………そのむかし、源氏のものにたのまれ、われが守っておったのだ……… たしか、童子切りという名だそうだが」 頼遠「童子切り………」 阿古耶「頼遠と、刀が光り出した!」 北斗丸「まるで、頼遠に会えたのをよろこんでるみたいだ………」 火鷹「頼遠!その刀は、おまえをよんでる。こたえてやれよ」 法輪「さあ、頼遠。その刀を取るんじゃ」 頼遠「お……おう!」 破邪刀童子切りを手に入れた! 頼遠「長いねむりより目覚めし、童子切りよ!今こそ、われに力を与えよ!」 北斗丸「頼遠!」 頼遠「まちがいない。体中の血が、これはオレの刀だといっているぜ」 大神「どうやら童子切りは、持ち主の元へ帰ったようだな……… わが役目も、おわったようじゃ。ふたたびの、長きねむりにつこう」 北斗丸「いろいろ、ありがとうございました」 大神「『天下五剣』のあるじたちよ…… その力、くれぐれも正しきことにのみ使うのだぞ………」 北斗丸「なんだ!?」 なぞの声「『天下五剣』は、すべてあつまったようだな……」 北斗丸「その声は、アメノミカゲだな!」 アメノミカゲ「そのとおり……… では、ほうびに『くさなぎのつるぎ』のありかを教えよう………だんのうらだ。 『天下五剣』を持ち、だんのうらへ行け……」 火鷹「なんだと!?てめえ、なんのつもりだ!!」 頼遠「まて火鷹!」 阿古耶「だんのうらですって!?」 法輪「だんのうらといえば、びぜん村や、ながと村より、さらに西にあるはまべじゃ」 アメノミカゲ「よいか、だんのうらだぞ……」 北斗丸「待て、アメノミカゲ!」 阿古耶「……いなくなったわ」 頼遠「どうする、北斗丸?」 北斗丸「『くさなぎのつるぎ』を手に入れるためだ。行こう!」 |