えとじょう
おいらのうちの いぬの たろは
おとのさまに ほえついて きられちまったんだ
たろは おとのさまが
にせものだって しってたから
ほえついたんだ
うぬっ あやしい やつめ!
しろに いれるわけには いかん
さいきんねえ おしろで
ばかでかいねこを かいはじめて
そのなきごえの ぶきみさったらないの
だれかが あのねこを
ころしたらしいわよ
つよいひとって いるもんねえ
あんなに やさしかった とのさまが
もう ひとがかわったみたいだよ
そうかい とのさまは
にせものだったのかい
へんだと おもってたんだよ
あのしろにはな むかし つくられた
ひみつの いりぐちが あるんじゃよ
よくやったな
あのぬけみちは わしがむかし
しのびだったころ みつけたものじゃ
なつかしいのう
たびのしょうにん いさくが
めずらしい わらじをもって
ひがしの くろはむらに かえってきたそうだ
いさくのやつ どうやらまた
でてっちまう みたいでよ
はやいとこ みせてもらわないとな
その めずらしいものとやらをさ
[城内でちんもくのわらじ未使用]
さむらいが あらわれた
おのれ くせもの!
つまみだして くれるわ
なにやつじゃ わが しろに
しのびこむとは けしからぬわ
かわいい みけや こやつの
いきの ねを とめてしまいなさい
ごとくねこが あらわれた
天地丸
「ごとくねこを つかって ほとやまの
ひとたちを くるしめていたのは
きさまだな」
とのさま
「しられてしまっては しかたがない
こんどは この ばばが あいてじゃ
みけの かたきを うってやる!」
とのさまは おにばばの すがたに かわった
おにばばが あらわれた