セリフ 46


 


おじいさん「鎌倉から来なさったのか。遠いところ、ごくろうさまじゃのう」
女「ずっと南に行くと、小さないおりがあるの。なんだか、ぶきみなところよ」
男「東の神社は、そのむかし源氏の人間がたてたっていうぜ」
男「東の神社には、三体の神さまが、まつられているんだ」
少年「西のおかに、へんな人がいたよ」



男「この村には、のろいがかけられていてねえ。
みんな、そのせいでびょうきになって、死んじまう」
男「この村も、平和になったよねえ」



北斗丸「ここは、カギがかかっているみたいだ」
北斗丸「カギを開けるよ」
北斗丸「よし、開いたぞ!」




女「むかしは、この村にも人が、たくさんいたんです。
でも、死んでしまったりこわがって引っこしたりして、今では、このありさまです」
女「また、むかしのように、かっきのある村に、してみせます」
少年「村長さんも、びょうきなんだよ。
村長さんは、どうしてびょうきがはやったのか、そのわけがわかったっていってたよ。
村長さんの家なら、村の東だよ」
少年「村長さん、げんきになったんだよ」
少女「きのう、おはかまいりに行ったの。
そしたら、おはかがほり返されてて……うう、こわいよう」
少女「びょうきがなくなって、よかったな」




村長「おお………めずらしい顔じゃな」
北斗丸「こんにちは。オレ、北斗丸といいます」
村長「こんにちは………わたしは、このまつまえ村の村長じゃ………
せっかく来てくれたのに、おかまいもできずに、もうしわけない………
わしのつまと、こどもはびょうきで、死んでしまってなあ。
わしも、この通りの体でうごけないんじゃ………」
北斗丸「いいんですよ。そんなことより、
どうしてこの村には、こんなにびょうきがはやってしまったんですか?」
村長「それは………妖怪のしわざなんじゃ。
人間にのろいをかけ、びょうきにしてしんだら、それを食う………
こくりばばあという妖怪のな」
阿古耶「こくりばばあ?」
村長「こくりばばあは、とても大食らいじゃ…………
だから、まつまえ村の人間を、みんな殺して食ってしまうだろう。
それどころか、他の村も、おそうかもしれん………」
法輪「それは、たいへんじゃぞい」
頼遠「そいつを倒す方法は、ないんですか?」
村長「わしには、わからん………じゃが、うちの、くらの中を探してみてくれ。
まきものが、あるはずじゃ………
わしも、こくりばばあのことをそのまきもので、しったのじゃよ。
だから、もっとよくしらべれば倒す方法も、わかるかもしれんぞ」
北斗丸「じゃあ、くらを探してみます」
村長「ありがとう。これが、くらのカギじゃ………持っていきなさい」
『くらのカギ』を手に入れた!!
村長「では、気をつけてな」



村長「どうだったかね………なに、お仲間が?………
そうか、くらのことなんて教えるんじゃなかったのう」
北斗丸「いいえ………オレたち、これからおそなえ山に行きます。
そこに、こくりばばあの苦手なものが、あるらしいんです」
村長「そうか………おそなえ山は、ここから北東に行ったところにある。
ゆうばり村の、さらに北じゃ。気をつけていきなされ。
帰ったら、またわしのところへ来るんじゃぞ」
村長「おそなえ山は、ここから北東に行ったところにある、ゆうばり村のさらに北じゃ。
気をつけていきなされ。帰ったら、またわしのところへ来るんじゃぞ」



村長「おお………よく帰ったな。それが、こくりばばあを倒すためのどうぐかね」
北斗丸「そうです」
村長「では、さっそく、こくりばばあの住みかへ行くがいい。
ヤツは、この村のとなりの、ぼちにいるらしい………気をつけてな」
北斗丸「はい。ありがとう、村長さん」
村長「気をつけてな」
村長「いやあ、急に元気になったわい。
きっとあんたらが、こくりばばあを倒したんじゃろうと思っとったんじゃ。
ありがとう、ありがとう」
北斗丸「いえ、そんな………あっ、そうだ。くらのカギを、お返しします」
村長「おお、そうじゃったな」
くらのカギを返した!
村長「たいしたものはないが、くらの中のものは、あんたたちにあげるよ。
じゆうに持っていってくれ」
村長「あんたたちは、村の恩人だ。ありがとう、ありがとう」