セリフ 27


キツネ「待てっ!」
法輪「キツネは、みんなしこくから出ていったのでは、なかったのか」
キツネ「あたしいがいは、みんな行っちまったよ!
よくも、あたしのかわいい手下たちを……
あたしを、ただのキツネと思ったら大まちがいだよ。かくごおし!」


火鷹「口ほどにもねえ………じゃあ、とどめをささせてもらうぜ」
頼遠「ムダな殺生は、するな!」
火鷹「オレに、さしずするんじゃねえ」
北斗丸「火鷹、やめろよ!」
キツネ「うう……い、命ばかりは、ゆるして………
そのかわり、あなたたちが探している刀のありかを、教えるわ………」
法輪「なんと、『天下五剣』の!?」
キツネ「ええ……『天下五剣』のうちの一本ははるか北のえぞの森にあるの………
力をたくわえて、いずれ取りに行くつもりだったけど………
命あってのものだねだからね………」
阿古耶「本当だろうね!?」
法輪「えぞというと、わしの村よりずっと北の、うみをわたったところじゃぞ」
北斗丸「教えてくれて、ありがとう。
やくそくだから、もうなにもしないよ………火鷹も、いいよね?」
火鷹「………チッ!命びろいしたな」
キツネ「まったくだよ………じゃあ、あたしは消えさせてもらうよ………
せいぜい、気をつけるんだね」



北斗丸「あっ、これは!?」
法輪「おお、刀じゃ!」
頼遠「これは………なんて、うつくしい刀なんだ」
北斗丸「名前が、ほってある!ええと、三日月………だって」
火鷹「三日月だと!?それは、むかしオレが見つけた刀で『天下五剣』の中の一本だ!
オレのもとめる刀ではなかったのでそのままにしておいたが………
まさか、キツネが宝ものにしてやがったとはな………」
法輪「なに、これも『天下五剣』なのか!」
阿古耶「きゃあっ!か、体があつい!」
北斗丸「見て、阿古耶と刀が、光ってる!
あの光は、まちがいなく『天下五剣』のものだよ」
阿古耶「なによ、なにがはじまったのよ!?これ、なんなのよ−−−っ!」
頼遠「阿古耶、おちつけ!その刀を持って強くいのるんだ。
やりかたは、わかってるだろう」
法輪「阿古耶、がんばるんじゃ!」
阿古耶「う、うん……わかった」
退魔刀三日月を手に入れた!


北斗丸「さあ、阿古耶!」
阿古耶「三日月よ……もし、あたしがあんたの持ち主なら、目覚めて!
そして、あたしに力を!」
阿古耶「こ、このすがた………本当に、あたしが三日月の持ち主なの?
この、スリのあたしが………?」
頼遠「スリをしたのは、親のないこどもを食べさせるため、しょうがなかったんだろう」
法輪「そうじゃ。本当のおまえさんは、いい子じゃよ………
まあ、ちょっぴりオテンバがすぎるがのう」
阿古耶「みんな………」
北斗丸「その刀、阿古耶ににあってるよ」
火鷹「長々とゴタクをならべるんじゃねえ。
三日月が、阿古耶をえらんだんだ。それで、じゅうぶんだろうが」
阿古耶「……うん、ありがと」
北斗丸「それじゃ、行こうか」

からっぽです!