北斗丸「弁慶さんがいっていたのは、ここだな………」 阿古耶「ここが、義経の妖怪迷宮とつながってるんだね」 法輪「では、しらべてみようかい」 頼遠「うおっ、なんだ!?」 北斗丸「お、鬼丸が………光ってる!」 火鷹「見ろ、大典太もだ!」 法輪「おおっ、わしの数珠丸も光り出したぞ!」 阿古耶「あたしの三日月もよ!」 頼遠「童子切りも光っている……!?」 北斗丸「ほら!あし元に、大きなあなが………」 法輪「こりゃ、ずいぶんふかいのう。底が見えんぞい」 阿古耶「ここから、妖怪迷宮に行けるんだね。よし、行こうよ」 北斗丸「こ、ここが妖怪迷宮………」 火鷹「さすがに、ヤバそうなところだな」 阿古耶「ここに、ぬらりひょんがいるのね。行こうよ、みんな!」 頼遠「おう!」 法輪「ほいほい………みんな、せっかちじゃなあ」 北斗丸「なんだろう?たてものがもえたあとみたいだけど…………」 北斗丸「ここにはもう、なにもないや……妖怪迷宮の入り口も、とじてしまったらしいな」 北斗丸「こんなところに、神社があるぞ」 法輪「なになに……タタラ神社とかいてあるわい」 頼遠「北斗丸、ここがタタラ神社だぞ」 阿古耶「変な名前だねえ」 頼遠「どっちにしても、こんなところに用はない。行くぞ」 阿古耶「それじゃ、ここに『くさなぎのつるぎ』があるんだね!」 法輪「そういうことじゃ。さあ、入ってみようぞ」 北斗丸「はい」 北斗丸「ダメだ。入れないぞ」 法輪「なにか、とくしゅな封印がかけられているようじゃな」 阿古耶「そんな、ここまで来たのに!どうすんのよ?」 北斗丸「とにかく、封印をとく方法を見つけなきゃ」 北斗丸「とにかく、封印をとく方法を見つけなきゃ」 北斗丸「封印をとくためには、南西のどうくつの聖水がひつようだ」 北斗丸「じゃあ、泉の水をまくよ」 封印がとけた! なにかの力がはたらいていて山にのぼれない!! コノハ「コノハ、みち教えル−!」 グヒン「コッチ、コッチ−!」 コノハ「こんにチハ−−−!リョウメンスクナさま−−−!」 グヒン「リョウメンスクナさま−−−!お客さまで−−−ス!」 スクナ「おお、コノハにグヒン、ひさしぶりじゃあ」 北斗丸「あ……リョ、リョウメンスクナさんですか?」 スクナ「ム−−−?おんしら、なにものじゃあ?」 北斗丸「くらま山の大てんぐさんに教えられて来ました。北斗丸といいます」 スクナ「ほう……おんし、おもろいじゃあ」 北斗丸「えっ?な、なにがですか」 スクナ「生まれつき、たぐいまれな力を持っとるに……… その力に気づいてもおらぬから、おもろいとゆうておるじゃあ」 北斗丸「たぐいまれな力?オレに、そんなものが……?」 スクナ「そうじゃあ。くわしく見てつかわすゆえ、もそっとこっちゃへ来るじゃあ」 スクナ「ほうほう、こりゃまた……おんしのまわりを、よくない気が取りかこんでおるじゃあ。 そいで、それが、おんしの力を封じておるのじゃあ……… フ−ムなるほど、おもろいじゃあ……… で、どうするじゃあ?このよくない気を、消してほしいじゃあ?」 北斗丸「はい。おねがいします」 スクナ「そんじゃ、消すじゃあ」 スクナ「ほい、消えたじゃあ」 阿古耶「えっ、もう?」 スクナ「こんなもん、わちにかかればすぐじゃあ」 法輪「よかったのう、北斗丸」 北斗丸「う、うん……なんだか、実感がわかないけど」 頼遠「いいじゃないか。これで大てんぐのところに行けば、おまえの親がわかるんだぜ」 コノハ「キャ−−−!」 グヒン「キャ−−−!」 北斗丸「うわっ!?なんだ、このふしぎな感覚は?」 阿古耶「なに!?北斗丸が、光ってる!」 頼遠「北斗丸だけじゃない……鬼丸もだ!」 スクナ「だから、わちがゆうたじゃあ。封じられてた力が、開放されたじゃあ」 法輪「な、なんじゃと?では、もしや北斗丸は、鬼丸の正当な持ち主………?」 頼遠「北斗丸!鬼丸をぬいてみろ!」 北斗丸「う、うん」 北斗丸「鬼丸よ……目覚めて、われに力を与えよ!!」 阿古耶「北斗丸−−−っ!!」 頼遠「いや、ちがう!あれは……?」 法輪「なんじゃ、あいつは!?」 阿古耶「北斗丸は、どこへ消えたの?」 スクナ「わからんヤツらじゃあ。あれは、『天下五剣』の力で転身した北斗丸じゃあ」 頼遠「あれが北斗丸!?」 阿古耶「し……信じられない……」 北斗丸「これが……オレの力………オレが鬼丸の、正当な持ち主………」 頼遠「北斗丸!しっかりしろ!」 スクナ「心配ないじゃあ。まだ、コツがつかめていないだけじゃあ。すぐになれるじゃあ」 北斗丸「う−ん……」 阿古耶「北斗丸、だいじょうぶ?」 北斗丸「うん、なんとかね……」 スクナ「それにしても、おんしが『天下五剣』の持ち主だとは、 さすがのわちもわからんかったじゃあ」 北斗丸「自分でも、信じられないや。まさかオレにも、火鷹と同じ血がながれていたなんて……」 スクナ「ほうほう、この刀は鬼丸じゃあ。つがるにあったものじゃあ」 頼遠「ちょっと待ってくれ!あんた、『天下五剣』が、どこにあるか知ってるのか?」 スクナ「とうぜんじゃあ。わちはひだのリョウメンスクナ、たくさんのことを知っているじゃあ」 北斗丸「ぜひ、教えてください!それを知りたがってる人がいるんです」 スクナ「いいじゃあ。一本はえぞじゃあ。もう一本はつがるじゃあ。 それからず−っと行って、いわみに一本、とさに一本あるじゃあ。あと一本は、ぶんごじゃあ」 法輪「えぞ、つがる、いわみ、とさ、ぶんご……じゃな。よし、覚えたわい」 北斗丸「つがるには鬼丸があったんだから、他を探そう。 ここに火鷹がいれば、教えてあげられたのになあ」 頼遠「な−に、ヤツのことだ。ぎゃくに『天下五剣』のところに行けば、会えるんじゃないか?」 北斗丸「……だといいけど」 阿古耶「じゃあ、くらま山にもどろうよ。おいでコノハ、グヒン」 コノハ「おウ!」 グヒン「おウ!」 北斗丸「ここはなんだか、あやしい感じがするけど……」 北斗丸「あっ、ここは!」 頼遠「わかりにくいが、たしかにどうくつがあるな」 北斗丸「入ってみよう」 |